ご挨拶

第36回日本老年脳神経外科学会
会長 川合謙介
自治医科大学附属病院 病院長、脳神経外科教授

会長 川合謙介

第36回日本老年脳神経外科学会を担当する自治医科大学の川合謙介よりご挨拶申し上げます。第36回日本老年脳神経外科学会は令和5年4月15日(土)に栃木県宇都宮駅前のライトキューブ宇都宮で開催いたします。会の運営をお任せいただき大変光栄に感ずるとともに、宇都宮の新しい会議場に皆様をお迎えできることを大変嬉しく思っています。

本会のテーマは「地域医療と老年脳神経外科」としました。日本全体の高齢化が進む中で、その影響をもっとも強く受けているのが地域医療です。自治医科大学は「医療の谷間に灯をともす」を建学の理念として50年前に設立され、各都道府県のへき地医療を支援して地域医療の向上に取り組んできました。へき地医療と高齢者医療はほぼイコールと言って良い状況ですので、私ども自治医科大学で日本老年脳神経外科学会を担当させていただくのは大変意義深いことと捉えております。

人口動態等からの予測では2040年頃までは高齢者疾患が増え続けますが、その後は人口減によって高齢者をも含めた医療需要の縮小が見込まれます。一方で、脳神経救急疾患に対する脳神経外科医療の均霑化を求められており、さらに専門医制度や働き方改革が複雑に絡み合って、これまで通りの脳神経外科医療の概念や体制を漫然と維持することは困難な状況です。高齢者の増加は、最近では地方だけでなく都心でも大きな問題になってきていますので、脳神経外科の全領域において将来へのビジョンが求められています。

会員の皆様におかれましては、日頃の診療の工夫や研究の成果はもちろんのこと、地域医療や高齢者医療へのお考えを余すところなくご発表いただき、本会が将来を見越した本質的な議論の場になれば主催者としては喜ばしい限りです。実りある日本老年脳神経外科学会となるよう、是非多くの皆様にご参集いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

2022年8月吉日

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